意識付け方法② |
交通事故発生報告書を利用した意識付け |
交通事故発生報告書の記載も、安全運転指導の一つとして記載させましょう。
某企業の交通事故発生報告書(左車線への進路変更時の交通事故)
片側2車線の道路右側を走行中に左側車線に車線変更していたところ左後方から直進の原付バイクに接触した。 |
■上記内容は、事故を起こした者が記載した交通事故発生報告書ですが、
事故の原因は何か? 当事者は理解しているのでしょうか?
また、管理者としてこの報告書を受け取って事故原因は何かわかりますか?
▼発生報告書も指導の一つです。
ポイントを提示して、自身の運転行動の再考と再記載させれば、何が足らなかったのか理解させることができるのではないでしょうか。
また事故後、意識付け対策として、eラーニングでの課題提出やwebテスト等を使って理解度、意識付けを行うと効果的です。
▼記載させるポイント
上記、交通事故発生報告書の内容に、
① ≫速度等運転状況 ≫車線変更する理由
交通事故要因のポイントとして、
② ≫左後方の安全確認 ≫合図(法律では3秒)≫車線変更直前での左後方・左側の安全確認(サイドミラー、目視での安全確認)
を追加して提出するよう指導してください。
参考 変更内容 「片側2車線の道路の右側を時速○○Kmで走行中、前方○○○m先の交差点を左折するため事前に左に車線変更しようと思い、バックミラーで後方の確認したところ車等がなかったので、合図を出さないまま左側車線に車線変更したところ左後方から直進の原付バイクと接触しました。車線変更する直前でのサイドミラーの確認と目視による確認はしていませんでした。」 |
▼確認ポイントと指導ポイント
確認ポイントが、事故の発生原因であり指導ポイントとなります。
【進路(車線)変更時事故 最低限の確認ポイント】
確認ポイント1≫ 進路変更前、サイド・バックミラーで確認したか?
確認ポイント2≫ 3秒以上左の方向指示器を出したか?
確認ポイント3≫ 車線変更する前、目視で安全確認をしたか?
【指導ポイント】
○ 合図を3秒以上出しておれば、死角に入っている左後方の原付バイクが「この車は進路を変更するんだ。」と認識して速度を落としたかもしれない。
○ 進路変更する直前、サイドミラーと目視による安全確認をしておれば、死角にある原付バイクを発見できていた。
○ 直前の速度~ 進路変更するため、加速して左側車両を追い抜き進路変更する癖の人か否か?
→ 進路変更後、前車に追突する原因
→ 運転記録証明書で過去の違反内容を確認
等を行えば、
◆ 事故惹起者の指導ポイントが明確になり指導しやすい。
◆ 事故形態別にポイントデータを収集、分析することで、自社社員のウイークポイントが把握でき対策を組むことができる。
のです。
下記に交通事故発生報告書の記載事例を掲載しています。参考にしてください。
▼ 交通事故発生報告書 記載事例 |
◆前方不注視(わき見) 片側1車線の道路を渋滞のため時速約○○km、車間距離約○○mで前車に追従中、伝票を取り出そうと、助手席に置いてある鞄に目を向けて左手で取り出し、前方を見たところ停車している前車を発見急ブレーキをかけたが間に合わず追突 ★速度、車間距離、わき見
◆前方不注視(発見遅れ) 国道○○号線を帰社のため、時速約○○Km、車間距離約○○mで前車に追従して走行中、交通閑散であったことから前方を十分に見ず(遠方を望見しながら)漫然と進行していたところ、前方車両が右折のため速度を落とし停止したのを約○○mで発見、ブレーキをかけたが間に合わず衝突(追突、衝突) ★速度、車間距離、わき見
◆安全不確認(歩行者発見後の漫然通行) 帰社するため、幅員約○mの住宅内道路を走行中、同方向に歩行中の被害者を左前方約○○mの地点に認めたが、その動き注視(減速徐行・警音器を吹鳴して警告)しないで、漫然と時速約○○kmで進行したところ左サイドミラーが歩行者に衝突(接触) ★速度、安全確認
◆赤信号無視・不確認 お客様会社に向かう途中、国道○○号線を○○交差点で、対面の信号が赤色を示しているのを交差点の手前約○○mの地点で認めたが(確認しないで)、急いでいたので時速約○○kmで進入したところ、青色信号で左から右に進行してきた自動車の右前と当車左前とが出会い頭に衝突(接触) ★信号無視、速度、安全確認
◆黄色信号無視・不確認 お客様の会社に向かう途中、国道○○号線を○○交差点で、対面の信号が黄色を示しているのを交差点の手前約○○mの地点で認めたが(確認しないで)、通過できると思い時速約○○kmで進入したところ、赤色信号を無視して左から右に横断してきた自転車と当車左前と衝突(接触) ★黄色信号に対する判断、速度、安全確認
◆一時停止場所(標識無視・不確認) 帰社途中、上記場所の交差点を通行する際、一時停止標識を認めたが(確認しないで)、一時停止せず時速約○kmで交差点に進入したところ左から進行した自転車と当車左前部が衝突(接触) ★規制標識無視、速度、安全確認
◆優先道路・広路優先無視 顧客会社に向かう途中、幅員約○mの道路から幅員約○mの左右の見通しのきかない(困難な)上記場所の交差点(優先道路)を左折しようと、徐行状態で(一時停止したが)右側の安全確認をしないまま時速約○○kmで進入左折したため右から進行してきた自動車と衝突(接触) ★停止、徐行→二段階停止(止まる、見せる)、安全確認
◆左折時の安全不確認 会社に戻る途中、前方50m先の上記交差点を左折するためバックミラーで後方の確認したのち左折の合図をしましたが、道路の左側に寄らずそのまま進行し、交差点直近で左後方の安全を確認せず時速約○○kmの徐行速度で左折したところ後続単車が当車左側後部に衝突(接触) ★右左折の合図は30m手前、左折時の左側端通行、徐行、安全確認
◆進路変更時の合図、安全不確認 納品で○○㈱に向かうため、国道○○号線片側二車線の道路の左側車線を時速○○Kmで走行中、前方約○○m先に水たまり(路上作業・路上障害物)があったので、避けるため合図をせず(したが)、また右後方の安全を確認しないまま右側車線に進路を変更したところ、右側車線を直進中の自動車が当車に衝突(接触) ★進路変更時の合図は、3秒、安全確認 |