≫ 証明書の利用理由 その2

 

◆ハインリッヒの法則と安全運転管理

 ハインリッヒの法則では、

 「重大な人身事故が1件あると、軽傷・物損事故が29件、傷害のない違

 反・事故やヒヤリハット体験が300件存在する。」と言われています。

  この法則に、「事故は結果 原因は違反」の考え方を当てはめてみます

 と、下記 図の4段階になります。

 

  管理者は、社員の

   ▶危険・違反行為▶ヒヤリ・ハット▶取締り▶交通事故

 の各段階をすべて見えるようにすれば、効果的な安全運転管理、指導ができ

 ます。

  今まで「業務中事故」だけで対応していたものを、一段階下げて

 「運転記録証明書」を取得すれば、今まで見えなかった取締り」 や

 「業務外事故」 等の新たな情報を加えることで、両面から見た安全運転

 管理対策も可能になります。

  また、この情報を基に、更に段階を下げた

  「危険運転行為」 や 「ヒヤリ・ハット」部分を見るための

 「ドライブレコーダ」等の機器装着対象者の選別も可能になります。

 

1 運転記録証明書から見た交通事故・違反者分布

 下記グラフを見て、あなたならどのような対策をとりますか? 

事例 A社(販売業 社員300人)運転記録証明書を取得した288人

   の過去5年間の交通事故(人身事故)・違反回数別分布図です。

2 社内事故から見た社員の交通事故・違反者分布

◆上記、事例1に社内事故人員・件数を入れてみたものが、

 下記、表とグラフになります。

注:事故回数1回列の証明書の把握人員より社内事故人員が少ない。

  ~社内事故は、業務中の事故をカウントしています。

   証明書把握人員が多い場合は、業務外の人身事故です。

▼違反回数が多い人達ほど、社内事故発生人員率も高くなる。

▼運転記録証明書では、交通事故、交通違反ゼロ者は111人ですが、

 下記表のとおり、

  111人のうち5年間に 23人(発生人員率 21%)が28件

   の業務中に運転記録証明書に載らない事故を起こしています。 

▶やぶ管の疑問

 ~ 春と秋の全国交通安全運動期間中に、警察官や知識人の座学講習だけで、いいのでしょうか?

 1と2のグラフ・表は、運転記録証明書と業務中事故から社員288人を見たものです。

 これを見るかぎりでも、指導教育方法の検討が必要な事が分かります。

 自動車安全運転センターが発行また提供している

    「運転記録証明書」、「運転記録証明書の分析結果」

 には、具体的指導に役立つデータがあり、また、業務中事故データを合わせて分析すれば、的の絞った対策と指導方法が見えてきます。

 

▶A社の管理者は、「運転記録証明書」、「運転記録証明書の分析結果」

 「業務中事故データ」を見てただけなのでしょうか?

 いえ違います。対策を起案・実施し、支店等の管理者や社員を指導したのです。

 その結果が、下記3の

  「A社の年別 業務中の交通事故発生状況 と 発生費用状況」

 です。 

3 「A社の年別 業務中の交通事故発生状況 と 発生費用状況」

 ◆A社は、安全運転管理対策を実施し、5年目には、

  ○交通事故 40件 を 21件 

  ○交通事故総費用額 1,800万円 を 300万円

  ○交通違反 78件 を 44件

  にまで減少させ、任意保険支払額を約1,000万円減少させる

  ことができました。

   その経年結果が、下記 表とグラフです。

 

 ◆分析方法、対策方法は順次掲載します。